大地震が起きた瞬間は、まず身の安全を確保することが最優先です。
揺れによる家具の転倒や落下物での負傷リスクが非常に高いためです。
ただし、慌てて外に飛び出すと、かえって命の危険が増す場合があります。
当記事では、大地震が起きた直後にとるべき具体的な行動、安全な避難の方法、子供向けの対応、備えておくべき持ち物や行動のポイントまで、初めての方にもわかりやすく解説します。
大地震が起きた瞬間にとるべき行動とは
家の中での安全確保の方法
大地震が発生した際、まず行うべきは身の安全を確保することです。自宅では家具や家電が倒れる恐れがあるため、リビングや寝室などで重い家具の近くにいる場合は、すぐにその場を離れてテーブルや机の下に身を隠すことが大切です。東京都防災ホームページでも推奨されているように、頭を守るためにはクッションや座布団を使い、揺れが収まるまでは無理に移動しないようにします。ガラスの破損に備えてスリッパや靴を手元に置くことも重要です。家具の転倒防止器具をあらかじめ設置しておくと、被害を最小限に抑える効果があります。台所にいる場合は、火を消すことよりもまず自身の安全を優先し、ガスコンロなどから離れてください。
外出中に地震が起きた場合の対処法
外出中に地震が発生した場合は、周囲の状況に応じた冷静な判断が求められます。歩行中であれば、建物の倒壊や落下物による怪我を防ぐため、電柱や自動販売機、看板などから離れて、広く安全な場所に移動することが重要です。ショッピングモールや駅構内では、天井や照明器具の落下、ガラスの破損に注意しながら、近くの柱や壁際など安全な場所でしゃがんで身を守ります。自動車を運転している場合は、ハンドルをしっかり握り、徐々に速度を落として左側に寄せ、エンジンを止めてカーラジオなどで情報を確認してください。高速道路では非常駐車帯に停止し、車内に留まるか避難指示に従うことが求められます。
地震発生時に避けるべき行動とは
大地震発生時には、冷静で的確な判断が不可欠ですが、やってはいけない行動も数多くあります。まず、揺れの最中に慌てて外に飛び出すことは極めて危険です。瓦や窓ガラス、看板などが落下するリスクが高く、頭部や身体に重大なけがを負う可能性があります。また、エレベーターの使用も厳禁です。地震によって停止したり閉じ込められる恐れがあるため、地震直後には階段を使用してください。さらに、SNSや不確かな情報に惑わされ、デマを拡散することも避けなければなりません。熊本地震の際にも、根拠のない情報が混乱を招いた事例があります。情報は内閣府防災担当や各自治体の公式発信を確認し、正確なもののみを共有する姿勢が求められます。
地震が起きた時に取るべき行動 子供向け
子供に教えておくべき地震時の行動
地震が発生した際に子供が自ら身を守れるよう、日頃から具体的な行動を教えることが重要です。まず、「ダンゴムシのポーズ」で頭を守りながら机の下に隠れる練習をしておくと、急な揺れにも対応しやすくなります。自宅ではどこに逃げれば安全かを一緒に確認し、ガラス窓や大きな家具の近くを避けることを伝えます。名古屋市防災ガイドでは、防災頭巾や笛をランドセルに備えておくことが推奨されています。また、家族と離れている時に地震が起きた場合でも、落ち着いて行動するために「避難所の場所」や「連絡方法」なども事前に共有しておく必要があります。遊び感覚で防災訓練を行うと、自然と行動が身につきやすくなります。
家族で決める避難ルールのポイント
地震時に家族が別々の場所にいる可能性を想定し、事前に共通ルールを話し合っておくことが重要です。例えば、避難場所を「豊島区立○○小学校」と明確に決めておくことで、集合場所が不明で混乱することを防げます。携帯電話がつながらない事態に備え、NTT東日本が提供する「171災害用伝言ダイヤル」や「Web171」の使い方も子供と一緒に確認しておくと安心です。また、「自宅が無事なら自宅に戻る」「避難所に集合する」など、状況に応じた行動基準も具体的に決めておくと、実際の災害時に迷うことが減ります。家族全員で参加する防災訓練を通じてルールを実践的に確認しておくことも有効です。
学校や園での地震対策の基本
小学校や保育園などの教育施設では、子供の安全確保のために地震対策が徹底されています。文部科学省が定める「学校防災マニュアル」には、児童が教室で揺れを感じた際には、机の下に隠れて頭を守ることや、避難経路を確保したうえで校庭などの安全な場所へ誘導する手順が記載されています。また、各施設ごとに月1回程度の避難訓練が実施されており、子供たちは職員の指示に従って落ち着いて行動する訓練を重ねています。東京都内の多くの小学校では、保護者に対して地震発生時の引き取り手順や緊急連絡網の活用方法などの説明も行われています。普段から子供に、先生の指示をしっかり聞く大切さを伝えることも安全確保につながります。
地震が起きた後の行動
安否確認と連絡手段の確保
地震発生後は、家族や友人の無事を確認することが最優先です。通信回線が混雑するため、電話よりも「NTT災害用伝言ダイヤル171」や「Web171」、あるいはLINEやYahoo!防災速報などのインターネットを利用したサービスの活用が効果的です。東京都では災害時の情報提供に「東京都防災アプリ」を推奨しており、避難所情報や安否確認の方法も確認できます。通信が困難な状況でも、あらかじめ家族間で「集合場所」や「連絡手段」を取り決めておくことで、スムーズな対応が可能となります。自治体の地域防災マップも事前に確認し、緊急時の行動を想定しておくことが大切です。
避難のタイミングと注意点
避難を判断する際には、建物の損傷状況や周囲の安全性を冷静に見極める必要があります。自宅が倒壊の危険にある場合や火災が発生した場合は速やかに避難してください。神戸市の防災指針では、余震が続く中でも避難経路に落下物や倒壊の恐れがないか確認し、ブロック塀や電柱のそばを避けるよう呼びかけられています。また、避難所に向かう際は「水」「懐中電灯」「常備薬」など最低限の持ち物を携帯し、周囲の人と声をかけ合いながら行動することが望まれます。避難所が満員の場合には、指定された代替避難所が設けられることもあるため、市区町村の広報や公式SNSで最新情報を確認してください。
ライフラインが止まった時の対応
地震によって電気・水道・ガスなどのライフラインが停止する可能性が高いため、事前の備えと初動対応が重要です。電気が止まった際には、懐中電灯や電池式ラジオを使用し、停電情報を東京電力のホームページなどで確認します。水道が止まった場合には、東京都水道局が設置する応急給水所の場所を把握しておくことが役立ちます。ガスに関しては、東京ガスのマイコンメーターが作動して遮断されるため、安全を確認した上で再開操作を行います。非常用として、飲料水・簡易トイレ・カセットコンロを備蓄しておくと、ライフラインが数日間停止した場合でも生活の継続が可能です。情報源は信頼できる自治体やインフラ企業の発信を利用してください。
地震が起きたらどこに逃げる
屋外で安全な避難場所の選び方
屋外にいるとき地震が発生した場合、安全な避難場所を迅速に選ぶことが重要です。まずは、建物のガラスや看板、電柱など落下物の危険がある場所から離れる必要があります。東京都防災ホームページでは、避難場所として公園や広場、学校の校庭など、上空に障害物が少なく開けた場所が推奨されています。たとえば、渋谷区では「代々木公園」や「渋谷本町学園校庭」などが避難先として指定されています。周囲の混乱に巻き込まれないためにも、人が集まりすぎていない広域避難場所を確認し、地域ごとの防災マップを事前に入手しておくと安心です。夜間や雨天時には、足元や視界にも注意を払いながら行動してください。
避難所に行く際の注意事項
避難所に向かう際には、安全な経路を選び、身の安全を確保しながら移動することが求められます。たとえば、世田谷区の防災ガイドでは、倒壊の恐れがあるブロック塀や狭い路地を避け、幹線道路や広い歩道を通るよう指導されています。また、余震による落下物にも警戒し、ヘルメットや帽子を着用することが推奨されます。避難所には、上履き・水・携帯トイレ・身分証明書などの必要最低限の物を持参するよう準備しておくことが大切です。混雑状況や受付方法も場所によって異なるため、港区のように事前登録が必要な自治体もあります。自治体公式SNSや防災アプリで最新情報を確認しながら、安全に行動してください。
建物倒壊や津波の危険性がある場所の見極め
地震直後には、建物の倒壊や津波の危険があるエリアを早急に避ける必要があります。特に木造住宅が密集する「東京都墨田区」や「大阪市生野区」などでは、老朽化した建物の倒壊リスクが高まるため、近づかずに避難所へ向かうことが求められます。海岸近くにいる場合には、揺れを感じた時点で直ちに高台へ避難することが重要です。気象庁の津波警報に加え、神奈川県鎌倉市のように各地域で設置されている「津波避難表示」や「津波避難ビル」の案内を活用すると、迅速な判断が可能です。地下道や河川沿いも増水や崩落の恐れがあるため通行は避け、自治体の防災無線やラジオで情報を確認しながら安全な経路を確保してください。
まとめ
大地震が起きた瞬間には、落ち着いて正しい行動をとることが命を守る鍵となります。
慌てて行動すると、建物の倒壊や落下物による二次被害に巻き込まれる危険があるためです。
事前に避難場所や連絡手段を確認し、家族でルールを共有しておくことで、緊急時にも冷静に対応できます。
知識と備えがあれば、突然の災害にも安心して行動できる可能性が高まります。